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13、第７章 橋 ...
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「何だこりゃ～。」
とルックはさっきまで暑かった汗が冷たくなるのを感じた。
「これ渡らないと、先へはいけないんだろ？」
クランはがけを除きこんだ。そのがけは何十メートルも下に川が流れ、反対側までもかなりの距離があり、そう簡単には渡れない距離だ。その間を通るためにはボロボロに腐ってゆれている木で出来た橋を渡らなければいけない。その先には森が広がっている。
「マジ・・・。落ちたら確実にさよならよね～。あはは・・・。」
とルルアは引きつり笑いをした。
「これ大丈夫かなぁ・・・。ルック、手絶対に離さないでよ。」
とクランはルックの手を強く握って、恐る恐る橋に一歩踏み出してみた。すると何もなかった。
「大丈夫みたいだよ。っと、ほらぁあああああ！！」
クランが足に体重をかけた瞬間に腐っていた木が落ちてしまいクランの足ごと落ちそうになった。しかしルックがしっかり支えてくれたので足が穴に入っただけですんだ。
「大丈夫か！危ねぇなぁ・・・。」
とルックはクランを引き上げてくれた。
「はぁ・・。ありがと・・・。ちょっとじゃなくてかなり危ないかも・・・。」
「そうねぇ・・・。でもここしかわ渡る場所ってないのよねぇ・・。」
ルルアは腕組みをして考えた。
「手をつないでゆっくり渡るという事なら何とかなるのでは？」
「それしか方法はないわねぇ・・・。うし！いくわよ！」
とルルアはクランの手を取った。
「なんで俺ぇ～。」
クランが情けない声を出した。
「もし落ちそうになった時、男じゃないと引き上げられないでしょ！ほらほら行くわよ！」
とルルアは橋にあまり体重をかけないように歩き出した。後は流れにそってクランとルックの間にアウラが入り、最後がルックの順に渡った。
「ホントに危なかっしいわね。ちょっとクラン！もうちょっとゆっくり！」
「そんな事行っても、早く渡り終わりたいからさぁ・・・。」
クランは足元を見ながらまた情けなく言った。
「今すぐ三途の川渡してあげましょうか？」
ルルアが鋭く言った。
「結構です。」
「おい！皆でその三途の川とやらを渡らないといけなくなるかもしんねぇぞ・・・！」
とルックが空を見上げた。
「え？」
「魔物だぁーーー！もう関係ねぇ走れ！ホントにやばいぞ！」
とルックのかけ声でルルアから走り出した。その横から大きな翼を持った魔物がもて遊ぶように、ど突いてきた。
「きゃぁ！何すんのよ！これ渡ったら覚えてなさいよ！！」
とルルアは魔物にがんを飛ばした。
「そんな事より足元を見て下さい！ルルア様！」
後ろからアウラが声をかけた。橋は残り５メートルぐらいになった。今のところ足元は何もなかった。しかしルルアが後一歩というところで、最後尾にいたルックが橋の穴に見事にはまってしまった。アウラはその拍子に手を離してしまい後ろを振りかえった。
「ルックさん！」
「俺はいい！早く渡れ！」
ルックは一生懸命足を引き抜こうとしているがなかなか抜けない。
ルックはライフブレードを手に取り魔物が近ずいてきた時に切りつけた。魔物は血をたらしながら一時はなれた。
その間に３人は何とか渡りきった。その時ルックの足がズボッと抜けてこっちまで走ってきた。その後ろから怒り狂った魔物がバサバサ翼を羽ばたかせて追いかけてきた。
アウラは橋の終わりのところでルックに手を伸ばした。魔物は到底追いつかないと分かったのか橋のロープを切ってしまった。その拍子にルックはバランスを崩してアウラの手をつかみそこねてしまった。
その瞬間にライフブレードをアウラの手の下の地面に突き刺したが支えきれずライフブレードだけを残し落ちてしまった。
「うわあぁぁぁぁぁ！先に行ってろ！いつか追いつく！」
とルックは橋の破片と一緒に落ちていった。
「ルックーーーーー！！！」
クランは身を乗り出してルックがバシャン！と川に落ちるのを見た。その周りを一匹の魔物がグルグルと飛んでいた。そこをアウラが自分の銃でしとめた。魔物は川に落ちて流れていった。
「ウソだろ・・・？おいルック・・・！ルックーーーー！」
とクランは地面にこぶしをぶつけた。
「ルックが落ちちゃった・・・。」
ルルアも呆然としているだけであった。
「きっと大丈夫だよな・・・。ちゃんと追いつくよな・・・。」
と３人はルックが残した言葉を信じて先に進むことにした。
「これは持って行きましょう。」
アウラは地面に突き刺さっているライフブレードを抜いた。
「そうだな・・・。ルック・・ちゃんと追いついてこいよ。」
クランはアウラからライフブレードを受け取りつぶやいた。
３人は橋を渡りきったところから始まる、森へと足を進めた。
「ちっ。もうちょっと上手くやれよ・・・。」
とルックは川の下流に流れついた魔物の死体を蹴り飛ばした。
「さて、次だ・・・。クックック・・。」
ルックは不適な笑みを浮かべた。
